防音室の扉2
防音室の扉は高ければ高いほど良いか?
前回「目的」と「環境」を考慮しましょう、とお伝えしましたので説明を致します。
目的
例えばピアノを防音する場合とフルートを防音する場合では周波数帯域が異なります。
ピアノの帯域は27.5Hzから4186Hzです。
これに対してフルートは250Hz~2000Hzです。
圧倒的にピアノの周波数帯域が広いですね。
ピアノは・・・
- 周波数帯域が広い
- ピアノは床に楽器が接している
- 響板が内蔵されより大きな音が出せる(ダイナミックレンジも広い)
- 一度に出せる音が多い(和音に限らず)
- 鍵盤を叩くように発音することもあり床に振動が伝わる
- 発音した音の方向性がある
ピアノを演奏するなら固体振動も含めて防音性能を高めなければなりませんがフルートなどの木管楽器ならそれほどの性能は必要ありません。
- どれくらいの音量なのか
- ダイナミックレンジは
- 空気振動だけか
- 固体振動を伴うか
- 何人で使うか
これが防音の目的です
環境
- 木造住宅なのか鉄筋コンクリート造か
- 繁華街か住宅街か
- 集合住宅か一軒家か
- 防音室の隣に部屋や廊下はあるか(緩衝空間の有無)
防音室を考える時に環境によっても透過音の許容レベルが違いますので「目的」と「環境」を考慮した扉選びをすべきだと思います。
何が何でも鉄扉が良いとも言えないのはそんな事情も考慮する必要があるのです。
ただし、目的や環境を考慮して予算内に収まらないことも多々あります。
扉の種類
鉄扉
低周波数域から高周波数域を見てみるとG45は低周波数域の透過音減衰に優れていますのでまさにピアノや金管楽器に適しています。
Sシリーズはかなり優秀で全体的に高レベルな減衰です。
-35dB~-40dBと優秀ですし、遮音性能参考値を示すグラフもかなり良い数値だと思います。
これもピアノには適していると思います。
AシリーズはSシリーズに比べると減衰率が低いようです。
-30dB~-35dBと防音としては一般的だと思います。
しかしサックスフォンなど割と大きな音が出るものでも大丈夫ではないでしょうか。
カラオケ店に採用されているドアです。-25dB~-30dBと割と外に漏れ出る音が多いと思います。でも木管楽器で部屋の中に防音室と言う箱を設営するなら問題ないかと思います。
結論:現場の環境と予算と相談しながら決める
防音室は床や壁、そして天井にも防音を施さなくては防音出来ません。
壁などの箱が防音レベルが低いのにドアのみ高性能でも防音効果は期待できません。
逆に箱は防音性能が高いのにドアの性能が低くても漏れは大きくなります。
必ずしも鉄扉が良いとは限らないと言ったのそう言う訳です。
他の方法としては扉を二重にすると言う方法もありますのでぜひお問合せ下さい。問い合わせは無料ですから。
お問合せはお気軽に
電話:044-861-11126
解決工房 田辺まで