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分電盤(ブレーカー)は移動できますか?【リノベで必要な電気工事】

リフォーム 暮らし 電気配線工事

電気のブレーカーや漏電遮断器が組み込まれている分電盤。

部屋の間仕切を変える(リノベーションなど)ので分電盤を移動しなければならない場合があります。

部屋の中のコンセントやスイッチ交換などの電気工事はこの分電盤で電気を遮断して工事を行いますが、分電盤を移動する時は分電盤よりさらに電信柱側に近い太い電線の方(高圧側)で遮断しなければなりません。

今回は保育園の厨房(オール電化で)を新たに作る為に分電盤の移動が必要でしたのでそれを踏まえて解説します。

 

分電盤の位置を移すことはできる?

物理的には分電盤の移動は出来ます。

電流は電波で飛ばすものではなく有線ですので配線をし直すためには壁や天井を壊さないと工事自体出来ません。

また移動するには線が短かったりします。

そんな場合は延長せずに新たに新規の電線を通し直す必要があります。

配線ありきの工事の為、簡単に行える工事ではありません。

必ず事前の調査が必要になります。

 

下は分電盤移動前の状況です。

分電盤移動工事(前)

分電盤移動工事(前)

壁を解体し、天井も解体していますので、電線の長さや絡みをほどいて4mほど離れた位置に移動させた例です。

 

分電盤移動工事(後)

分電盤移動工事(後)

 

なぜ分電盤を移動しなければならなかったか

今回の工事は元々分電盤があった所を厨房にする設計になった為。

厨房は水場なので、直接水が掛かることはないとしても、蒸気や油の浮遊は多く分電盤に悪影響を及ぼします。

漏電遮断器などが頻繁に作動すると仕事が出来ないので移動することにしました。

 

分電盤の移動は資格もさることながら経験と知識が必要な工事

家庭内(部屋内)での電気工事をする場合はスイッチでもコンセントでも交換工事や延長工事は出来ます。

工事の時にブレーカーで電源を切れば良いからです。

しかし分電盤を移動(交換も含めて)する場合は分電盤より電信柱に近い位置で電気を遮断しなければなりません。

ビル全体で停電させる場合は良いのですが、そのままの高電圧が流れたまま工事をするケースことは出来ません。

分電盤移動(工事中)

間仕切り壁に分電盤移動(工事中)

上の画像は工事の途中ですが、設計位置に分電盤を配置した時のもの。

まだ線がぶら下がっているのが見えると思いますがもちろんこの線は通電していません。

 

分電盤の移動が必要な工事

  • リノベーションの時
  • 部屋の間仕切りをなくす場合、位置変更を余儀なくされる時
  • 新たに電力を増やす時
  • ビルの大規模改修の時

分電盤の移動工事の必要性はそうそうないと思います。

リノベーションなどの場合、間取りを変える時などは分電盤の移設が必要になります。

ちなみに、業種が変ったり、使用電力が大幅に大きくなったりするリフォームや改造が必要な場合だと、今の電力では賄いきれない。

そんな時は新たに電力会社に申請して契約電力を増やさなくてはなりません。

新たに申請して電力を増やす場合は敷地のところまでは東京電力が配線してくれます。

電線の引込工事

電線の引込工事

敷地内から建物内の電気工事は電力会社はしてくれませんので我々のような業者が行います。

 

20年以上経過した分電盤のメンテナンスについて【交換がオススメですが・・】

分電盤は20年以上経過している家庭は出来れば新しく交換をお勧めします。

世の中のお宅では建築当初から替えたことがないと言うお宅が殆どだと思います。

確かにあまり気にも留めていない箇所だと思います。

自分自身の職業柄、特に慎重になっているのかなとは思いますが、20年以上経過していたら、電気屋さんに依頼してネジの増し締めや点検などをしてもらった方が良いと思います。

ネジが緩むとその部分が過熱しますので、もし、なんとなく、そんな感じに思えたら点検をおススメします。

電線の接触部分が緩んでいると火花が出る事があります(最悪火事になる事も)ので、十分ご注意ください。

分電盤近くで焦げ臭いとか変なにおいがするなどがある場合は特にご注意ください。

絶対に素人の人がネジの増し締めはしないでください。

下手に行うとショートさせてしまいます。

分電盤が壊れるとか、高価な機器にも損傷が出ます。

電気工事士の資格を持った人しか出来ません。

普段あまり目にとめない分電盤についてお話ししました。